兄貴がイケメンすぎる件
「きゃあ~!!」
「!!」
突然、背後から女子生徒達の悲鳴にも似た声が、耳をつんざいた。
え、なになになに!?
その声にあたしが思わず目を丸くしていると、隣にいる美桜が言う。
「あ、ほら、噂をすれば翔太くん!」
そう言って、美桜はあたしの肩をぽんぽんと叩いて、翔太くんとやらを指差した。
…本当に?そんなにイケメンなの?
そう思って振り向いた時、生徒玄関に入ってくる早月翔太が初めてあたしの視界に入った。
「!」
…カッコイイ、
と、いうか、可愛い?
「みんなおはよー」
彼はそう言うと、そこにいる女子生徒達に向かってニッコリ微笑んで、愛嬌を振り撒く。
…あぁ、悪いけど、ちょっとあたしの苦手なタイプかもなぁ。
一目見た瞬間、そう思った。