兄貴がイケメンすぎる件
「ねぇ、僕クラス何処かなー?」
早月くんは靴を履き替えながらそう聞くと、チラリと一番近くにいた女子生徒に目を遣る。
すると、その女子は全く違うクラスなのに笑顔ではっきり即答した。
「翔太くんは、2年3組だよ!」
「ありがとう」
そう言って、またふんわり笑う。
その笑顔にまたみんなが「きゃあ~!」って叫びだすから、あたしはその声にまたビックリする。
ってか、一人称が「僕」なんて。
……裏では普通に「俺」とか言ってそうだけどな。
そう思いながら、理解できない世界に思わず目を細めていると、靴を履き替えた早月くんが「2年3組のクラス表」に近付いてきた。
「…」
…うん、やっぱ見た目的には、カッコイイ系ではない。
寧ろ可愛い系。
身長は…170㎝くらい?
わりと細身で、筋肉とかもなさそう。
髪の色も染めたりはしていないみたい。
一見派手なタイプでもなさそうだけど、これだけモテてるんだもん。
派手に遊んではいそうだな。
かなりたくさんの女の子、泣かせてそう。