兄貴がイケメンすぎる件
そう思いながら早月くんを見ていたら、クラス表の真ん前に来たそいつと不意に目が合った。
「…」
「?」
なに…?
早月くんはあたしを見るなりちょっと驚いたような顔をすると、そのまま整った顔でじっとあたしを見つめる。
なんなのよ、
そう思って少しうざったく感じていたら、早月くんが突如真面目な顔をしてあたしに言った。
「君、名前は!?」
…名前?
「…工藤世奈」
あたしがそう答えると、そいつはふと2年3組のクラス表に目を遣って、「…あ」とだけ呟く。
そして、未だこの状況が把握出来ないでいるあたしにまた視線を戻して、はっきり言った。
「一目惚れした!
僕と付き合って!」