兄貴がイケメンすぎる件


翔太がそう言うと、健が少し黙り込む。


……何だか、二人の様子が怖い。


ちょっと喧嘩腰になっている二人にビビりながらも、あたしは「これ以上はさすがにマズイ」と感じて言った。



「っ…翔太、もういいじゃん。ね?あたしは翔太だけが好きだからさ、」

「!」

「そんな不安になんなくたって、健はあたしのこと幼なじみとしてちゃんと見てくれてるよ。考えすぎだって」



だから、心配なんていらない。

あたしは翔太を説得するようにそう言うと、翔太から身体を離して笑顔を浮かべる。



でも……



「それは違うな」

「!!」



ふいにあたしの後ろで、健がそう言った。


…“違う”…?



「いや、健…何言って、」


「悔しいけど、早月が言ってることはだいたい当たってるよ。

…世奈、ごめん。本当は俺、

お前と今すぐ幼なじみやめたい」


「!!」



健はあたしにそう言うと、どこか切なく…だけど真剣な表情であたしを見た。


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