兄貴がイケメンすぎる件
あたしはそう言うと、目から溢れてきた涙を拭う。
そして健の次の言葉を待っていたら、翔太があたしの頭にぽん、と手を遣って健に言った。
「あーあ…泣かした、」
「!」
「僕の大事な彼女なんだから、泣かさないでくれる?」
翔太がそう言って健に目を遣ると、健は少し黙ったあと呟くように言う。
「………ごめん、」
…………
結局それからは三人で公園を後にして、あたし達はそのまま健の家に向かった。
あたしと健を二人きりにさせたくないらしい翔太が、「じゃあ僕が相沢さんの看病してあげる」とそう言ったのだ。
あたしは二人から少し離れた前を歩き、その後ろを翔太と健が珍しく並んで歩いている。
するとそんな時、翔太が健にあたしに聞こえないような小さな声で言った。
「…ごめんね、相沢さん」
「え、」
「さっき、世奈ちゃんに二度と近づかないでとか言っちゃって」