兄貴がイケメンすぎる件
「…翔太?」
もしかして、引いちゃった?
そんな翔太に不安を覚えていると、翔太は優しくあたしに言った。
「だったら、僕待つよ」
「!」
「世奈ちゃんが“大丈夫”って言ってくれるまで、ちゃんと我慢する。僕だって別に今すぐに…ってわけじゃないから、」
翔太はそう言うと、安心するあたしに向かっていたずらっ子のようにニッコリ笑った。
「…翔太…」
翔太の優しさにあたしがドキドキしていると、翔太は「じゃあ、寝よっか」と言って寝室の電気を消す。
あたしはまた向かい合わせで寝たかったけど、翔太は「おやすみ」と言うなりあたしに背を向けてすぐに寝た。
…ま、仕方ないんだろうな。
きっと我慢してくれてるんだ。
あたしはそんな翔太の背中をしばらく見つめていたけど、やがて少しずつ睡魔に襲われてやっと眠りについた。
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そして、翌日。
あたしは翔太とたくさんイチャイチャしたあと、夕方頃に荷物を持って翔太のマンションを後にした。
本当はもっとずっと一緒にいたいけど、そろそろ兄貴がいるマンションに帰らなきゃ後が怖い。
だけど独りで兄貴に顔を出す勇気はなくて、気がつけばあたしはまた幼なじみの“アイツ”を呼んでいた。