兄貴がイケメンすぎる件


けっ…



「結婚!?」



いやいや、ちょっと待ってよ!!



「お父さん、それはいくらなんでも…」



唐突だし、酷すぎない!?


あたしがそう言おうとしたら、お父さんはそんなあたしの言葉を無視してあたしの隣にいる健に言う。



「健、頼む!この通り!」

「!」

「世奈とつり合うのは健しかいないんだ!世奈と健が二人でいてくれるんだったら、俺は心から安心して九州で仕事が出来る!」



お父さんは健にはっきりそう言うと、健に向かって頭を下げた。



「え、おじさん頭上げてくださいよ!」



健はそんな突然のお父さんの言動に驚きを隠せないみたいだったけど、

お父さんはなかなか頭をあげようとしない。

それどころか…。



「健が“世奈と結婚する”と誓ってくれたら上げてやる!」

「!!」



そう言って駄々をこねだした。



「お父さん、いい加減にしてよ!健困ってるでしょ?頭上げて!」



そんなお父さんを見兼ねてあたしが助け船をだすけど、それを見ていた兄貴があたしに言う。



「世奈、」

「?」

「邪魔してやるなや」



そして何故か兄貴までもがそう言って、健の答えを待った。


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