兄貴がイケメンすぎる件


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そして、5時間目の体育の授業中。

浮かれ気分でバトミントンをしていたら、一緒にやっていた美桜に言われた。



「ちょっと世奈、何かいいことでもあったの?(ずっとニヤニヤしてるよ)」

「んへへ~、べっつにー?」

「?」



そりゃあ、浮かれちゃうに決まってる。

だって大好きな彼氏と駆け落ちだよ!ずっと一緒にいられるんだよ!

こんなに幸せなことってある!!?


あたしが幸せのあまり張り切ってバトミントンを楽しんでいたら、その時クラスメイトの他の女子に話しかけられた。



「ねぇ、工藤さん」

「?」



その声に、何だ、と思って振り向くとその女子が言った。



「あの、さっき相沢さんに伝言頼まれたんだけど…」

「え、健に?何て?」

「えっと…放課後に“グランド裏の倉庫に来て”って」

「は…」



…グランド裏の倉庫?

何それ、



「…アイツそんなこと言ってたの?あたしにそこに来いって?」

「うん。…確かに伝えたからね、」

「…」



何でそんな場所に?

アヤシー。


あたしが顔をしかめてそう疑問に思っていると、美桜がからかうようにして言った。



「え、なになに?告られんじゃないのー?」



だけど、そんなはずはない。だってアイツにはもう告られてる上に、しかも振ったはずだし。



「いやー、違うでしょ」



あたしはそう言うと、ちょっと戸惑いながらもバトミントンを再開した。


後で健にメールでもしてみようっと。



………しかし。

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