兄貴がイケメンすぎる件


…ちょっと待て。

やっぱ怪しくない?


あたしはそう思うと不安になって、グランド裏倉庫に行く前に健のクラスの教室に行ってみた。



「健、いる?」



そして一番近くにいた女子にそう聞いてみると、その子は



「ううん、さっき部活に行ったの見たよ」



と、そう教えてくれた。



「そうなんだ、ありがとう」



…ほら、やっぱ部活なんじゃん。

だいたい部活で忙しい健が、あたしを放課後にわざわざ倉庫まで呼び出すわけがない。

きっと健じゃない誰かがあたしをそこまで呼び出して、閉じ込めるつもりなんだわ。


あたしはそう思うと、今度は健がいると思われるグランドに向かった。



でも…。




「え、いない?」

「うん。今日はちょっと遅れるかもって連絡あったよ」

「…」



グランドに行ってみると、サッカー部の人がそう言って教えてくれた。


え、嘘。だって健は…。



「そっか、ありがとう」

「いえいえ」



あたしはサッカー部の人にそう言って軽く会釈をすると、戸惑いながらもゆっくりグランド裏の倉庫に向かった。


ほんとにいるのかな?

でも、信じられない。

何でここまで呼び出す必要があるの?


あたしはそう思いながら、ようやく到着した倉庫の中をそーっと覗いて見る。



すると…




「おっせーんだよ」

「!」

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