兄貴がイケメンすぎる件
そこには、平均台に腰かけている健の姿があった。
「け、健…」
なんだ、ほんとに呼び出してたんだ…。
あたしは健の姿を見るなり安心のため息を吐くと、健の隣に腰を下ろす。
「…何安心した顔してんの?」
すると健があたしにそう聞いてきて、ちょっと顔をしかめた。
だって…
「いなかったらどうしようかと思ってたから…」
あたしが心から安心しながらそう言うと、健が今度はちょっと笑って言った。
「来ないわけないじゃん。
世奈からの呼び出しなんだから絶対来るよ」
「…え?」
健のそんな言葉に、あたしは一瞬固まる。
「…あたしからの呼び出し?」
嫌な緊張が走るなかそう聞いたら、健ははっきり頷いた。
「うん。だって、“昨日のことで話がある”ってここに呼び出したのお前じゃん」
「!!」
はぁ!?何それ!!
「いやいや!あたし呼んでないから!ってか、健があたしをここに呼んだんじゃないの!?」
と、あたしがビックリして健にそう言った、次の瞬間・・・
「!!」
「!?」
突然、倉庫の扉が勢いよく音を立てて閉まった。