兄貴がイケメンすぎる件


一瞬、何が起こったのかわからなかったけど…



「は…もしかして閉じ込められた?」

「!!」



健のその言葉に、あたしはビックリしてその扉の方に行く。

そして一生懸命開けようとするけど…、



「健、開かない!」



その扉はビクともしない。



「ちょっと退いて、」



そんなあたしの言葉に、健もそのドアを開けようとするけど、やっぱり開かず…



「何かでドア壊すか、」



健がそう言って倉庫の中を見渡すけど、あたしは慌ててそれを止めた。



「だめ!!」

「…何で」

「だ、だって…」



学校の物を壊してしまえば、例えあたし達が閉じ込められていたからとはいえ、

あたしの担任の池端先生(翔太を学校停学にさせたあの先生)はきっとそれを許してはくれない。

なんせあの先生、真の悪い奴を処分したりしないのだ、何故か。


あたしがそのことを説明すると、健は、



「じゃあどうすんだよ…」



と、また平均台に座る。だけど…



「…あ、そだ」

「?」



何かを思いついたようにして、今度は制服のポケットから携帯を取り出した。



「え、健は携帯盗まれてないの!?」



あたしが思わずそう聞くと、健はきょとん、とした表情で答える。



「何、盗まれたって。別に俺のは盗まれてないよ」

「!!」

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