兄貴がイケメンすぎる件
「世奈」
「うん?」
「お前、健とちゃんと連絡とってやってんねやろうな、」
「えっ!?」
兄貴の突然のそんな言葉に、あたしは持っていた携帯を思わず落としそうになる。
いきなり「健」という名前を出されてビビってしまったけど、落としそうになった携帯はなんとかキャッチした。
あ、危なかった~…。
…しかし、そう思ってほっとしたのも束の間。
「なんや今のその反応。ちょお怪しいんちゃう?」
「!?」
今度は兄貴は疑いの目であたしを見てきた。
「な、何も怪しいことなんてないよ!」
そう言って強気な目で兄貴を見るけど、兄貴も疑いの目であたしを見たまま譲らない。
…ってか、兄貴はいつ見てもカッコイイし、目の保養になるな。
あぁ、超イケメン。
そう思っていたら…
「おいコラッ」
「ぁいたっ!?」
兄貴に容赦なくデコピンされた。
そして兄貴はその場から立ち上がると、自分の部屋に向かいながらあたしに言う。
「ちゃんと健にも連絡したれや。アイツ、お前のこと待ってんねんで」
「!」
それだけ言って、兄貴は部屋に入って行った。
ってか、待ってんねんでって…。
………この前あんなことされて、軽々しく連絡なんて出来るかっ!