兄貴がイケメンすぎる件
「早月くん、それ盗撮って言って犯罪なんだよ。知ってる?」
あたしはそう言って早月くんのスマホを無理矢理奪うと、タン、とそれをそいつの机の上に置く。
しかし早月くんは、きょとんとした顔であたしに言った。
「え、僕堂々と撮ってたよ」
「だってあたし知らないし」
「やだな、気づかなかっただけでしょ。何だか物思いに耽ってたみたいだし?」
そう言って、クックッと可笑しそうに笑う。
その言葉にあたしはそれ以上何も言いたくなくなって、「とりあえず、それやめてよね」とだけ言ってまた自分の席についた。
「はいはーい」
あぁ…コイツといると何か調子狂う…。
何だか朝から凄く疲れたあたしは、もう隣は見るまいと決めて前だけを向いた。
……早く席替えしたいなぁ。