兄貴がイケメンすぎる件
倉庫にもやっぱり鍵がかかっているけれど、健はそこの鍵も開けて中に入る。
ってか、ほんとに寒くなってきた。
健は寒くないのかな?
そう思って、
「ねぇ、ちょっと寒くない?帰ろうよー」
それに勝手にここにいることも不安だしであたしがそう言ったら、健が言った。
「平気だよ。どーせ今から二人で運動すんだから。すぐに暑くなるよ」
「…え」
健はそう言うと、突如着ていたブレザーを脱ぎ出す。
ちょちょちょ、何してんの!?
二人で運動って何それ!
「いや、意味わかんないし!あたし帰るよ!?」
「今更逃がすか。ほら、お前も脱げ」
「!?」
そう言って、健はあたしのブレザーに手をかけてきて…
「はぁ!?ちょっと、バカなんじゃないの!?勝手に触らないでよね!」
「だってそれ着てたら邪魔じゃん」
「邪魔じゃない!」
「…しょうがねぇな」
あたしの言葉に健はため息交じりにそう呟くと、今度は自身のネクタイを緩めてスポーツバッグの上に無造作に置いた。
「…けどさ、スカートくらい脱げよ」