兄貴がイケメンすぎる件
あたしはそう言うと、またその場に崩れ落ちる。
ただでさえ時間が迫ってきているのに…。
健に勝たなきゃいけないのに…。
あたしは何をやってるんだろ……。
するとあたしがそう思いながらまた息を整えていると、健が近くにやって来て言った。
「そろそろ限界?」
「っ、まだ!まだ平気!」
「…何回やったって同じだろ」
「イヤ!絶対あたしが勝つもん!」
あたしはそう言うと、またその場から立ち上がってもう何度目かわからないプレーをしようとする。
でも…
「…っ、」
「!…世奈?」
立ち上がったその瞬間…
突然目の前が真っ白になって、あたしはまたその場に崩れ落ちた。
「世奈っ…」
床に倒れる前に健が瞬時に支えてくれたから大丈夫だったけど、そんなあたしに健が心配そうに言う。
「大丈夫!?」
「ん…平気、」
「いや、お前もうやめとけよ。な?もう無理だって」
「何で?時間はまだもうちょっとあるよ、」
「時間はあっても明らかに体力がもう限界越えてるだろ。これ以上やったらお前壊れるから、」
健はそう言うと、床にあたしを優しく寝かせて…
「…ボール片付けてくるよ」
「!」
「あと、世奈の鞄もとってくる」
そう言って、ボールを手に持った。
けど、
「っ…ま、待って!」
「!」