兄貴がイケメンすぎる件
……ん?
何で、翔太?
しかし、あたしがそう疑問に思っていると──…
「なに?」
「!!」
次の瞬間、
体育館内の二階から、そんな聞きなれた声が降ってきた。
…え、嘘。
何で?この声…!
あたしがその声に反応して即座に声がした方に目を遣ると、
そこには手すりに肘をついてあたし達を見下ろしている翔太の姿が…
「翔太…!?」
ってか、何で!?いつから!?
いったいいつからそこにいたの!?
突然のこの状況にあたしが?だらけになっていると、そんなあたしに健が言う。
「最初からこの作戦だったんだよ」
「…え?」
「世奈にバスケで賭けようぜって言っておいて、お前に完全にその気にさせるのが狙いだったの。
早月のためなら、お前必死になるだろ?で、早月も早月で世奈のこと信じられないみたいだし?俺がさっき部室で呼んどいた。
世奈がどれだけお前を好きか、今すぐ体育館まで見に来いってな」