兄貴がイケメンすぎる件
「!」
…けん…
そしてあたしが健の言葉に感動していると、健がまた二階にいる翔太に言う。
「な、今までの世奈のプレー、お前しっかり見ただろ?」
「うん」
「世奈は、こんなフラフラになってまでお前と一緒にいたいんだよ。確実に、俺じゃなくて早月が相手じゃなきゃダメなんだって」
「…そうみたいだね」
健のそんな言葉に、翔太の返事が微かに返ってくる。
その直後に翔太と目が合った気がして、あたしはまた泣きそうになってしまった顔をうつ向かせた。
…ただでさえボロボロになってるのに、好きな人の前でこれ以上ボロボロになりたくない。
しかしあたしがそう思っていると、翔太は手すりから腕を離して…
やがて階段を使ってあたし達がいるところまでたどり着くと、ふいにあたしを見てふっと笑った。
「…っていうかさ、」
「え、」
「すんごいボロボロになっちゃってるね、世奈ちゃん」
「!」
翔太はそう言うと、今は感動のシーンのはずなのに、頑張った彼女(あたし)に対して笑い出す。
「大丈夫!?髪もボサボサだけど!」
「…~っ、」