兄貴がイケメンすぎる件
「…」
何であたしが…。
もとはといえば冷たすぎる健が悪いのに。
そう思って、あたしの前に戻ってきた兄貴に「ねぇ、なんで健が突然来たの?」って聞いたら、兄貴はパフェを用意しながら言う。
「なんでって、俺が呼んだからや」
「何で呼んだの、」
「まぁ…久しぶりに顔見たかったし?」
…そんな理由…?
「あたしは会いたくなかったな。…出来れば一生」
思わずあたしがそう呟いて顔を覆うと、兄貴が「まぁそう言うなや」って苦笑いを浮かべた。
「たった一人の幼なじみやんか」
「あのねぇ、そのたった一人の幼なじみに冷たくされてんのはどっちだと思ってんの!?」
そう言って出来るだけわざと声を大きくして、健に聞こえるくらいの声でそう言ってみたけど、
兄貴はそんなあたしを抑えるためか、タイミングよくあたしの目の前にチョコレートパフェを置いて言った。
「まぁまぁまぁ…これでも食って落ち着けや。な?」
「…」
だけど何だかんだ言って、スイーツには弱いあたし。
「…いただきます」
それ以上文句は言えなくなって、素直に黙ってチョコレートパフェに手をつけた。