兄貴がイケメンすぎる件

「!!…んっ…」



その瞬間、ただでさえドキドキしていた心臓が、苦しいくらいに大きな音を立てる。

一回離しては、またキスをして…周りには誰もいないけど、普通の道端なのに……こういう状況にもうすっかり慣れてる自分が怖い。


そして…



「…なんか離れるのやだ」

「じゃあ僕ん家泊まりにくる?」

「ん、行きたい」



あたしがそう言って、翔太に甘えていると…





「おい」



「!?」

「!!げっ…あ、兄貴っ…」



その時、ふいにどこからか聞き慣れた声が聞こえてきて…

そこを見遣ると、仕事帰りの兄貴が険しい顔つきで立っていた。


うわーん、タイミング悪すぎ!



「何やってんねんお前ら、こんな道端で。行きたいって、どこ行くねんな」

「え、いやあのっ…それは、えっと…!」



しかしあたしがそう言ってあたふたしていると、意外に冷静な翔太が言う。



「違うんです、お兄さん!」

「あ?」
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