兄貴がイケメンすぎる件

兄貴は独り呟くようにそう言うと、少しだけ何かを考えるような素振りをする。



「あの…兄貴…?」



そんな兄貴にあたしが?になっていると、しばらくして兄貴がようやく口を開いて言った。



「…えっと、早月…翔太くん、やっけ」

「は、はい」

「この前のカフェん時は、ごめんな。厳しいこと言うてもうて」

「いえ、全然!全然気にしてません!」



そして翔太が兄貴の言葉に首を横に振ると、次の瞬間兄貴が…



「それと…


これからも、世奈を頼むわ」


「!!」



そう言って、翔太に向かって軽く頭を下げた。


…兄貴…



「いや、ほんまはさ、カフェで会った時翔太くんのこと正直“何やねんコイツ”って思ったけど、今は思ってへんっていうか…

翔太くんやったら、世奈を幸せにしてやれる気がすんねん。やって前も今も、あり得んくらい素直やしな」



兄貴はそう言うと、「せやから、よろしくな」って翔太に向かって優しい顔をする。

そんな兄貴の言葉に、あたしも翔太も嬉しさが込み上げてきて…。


兄貴…許してくれるんだ。

あたしと翔太が、付き合うこと。

あんなに否定してたのに。


するとそんな兄貴の言葉が嬉しくて、あたしが「ありがとう!」って口を開きかけたら、それを遮るように翔太が言った。



「はい、任せてください!世奈ちゃんのことは、僕が全力で守りますっ。絶対泣かせないし、浮気もしません!」

「あ、ほんまやな。約束やからな。確かに聞いたで」

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