兄貴がイケメンすぎる件
兄貴は翔太のそんな言葉を聞くと、冗談交じりにそう言って笑う。
その様子に、あたしは改めて「よかった」と安堵する。
これからは、いちいち不安がる必要もないんだ。
そう思うあたしの前で兄貴と言葉を交わす翔太は、終始凄く嬉しそうな顔をしていた。
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「なーんか落ち着いたね、翔太くんの女子人気」
「…うん、そだね」
そして、それから数日後。
教室で珍しく男子生徒と騒ぐ翔太を見て、美桜がそう言った。
ちなみに、今は昼休み。
あたしと美桜は、廊下の壁に寄りかかりながら、教室の中にいる翔太を眺めている。
翔太と結局また付き合うことになったあの日から、翔太の意思で周りの女子達が翔太に言い寄らなくなったのだ。
だから今はもう、翔太のモテモテな姿を見て、あたしが嫌な気分になることもほとんどない。
するとそんな翔太を見た後に、美桜が今度は廊下の窓から見えるグランドを見て、言った。
「でも、代わりに相沢くんの人気がグンと上がったよねー」