兄貴がイケメンすぎる件


び、びっくりした…。


思わず変に逸らしちゃったけど、大丈夫かな…。


そう思って恐る恐るまた健を見ると、健はあたしから視線を外してパフェを食べていた。



「…」



健も、女の子によくモテている。

中学の時なんて他の女子が健に告白するために、あたしに「相沢くん(健)を呼んできて」なんてよく言ってたくらいだし。

だけどあの時もめちゃくちゃあたしだけに冷たかったし、そう言っても来ないだろうと思ってあたしはそのコに「いいけど、期待しないほうがいいよ」と言って断りを入れることが多かった。

まぁ、案の定あたしが健を呼んだら「そんなの誰が行くかよ、めんどくせー」って言われたり、それか完全に無視されていたけど…。


だけど、何故か必ずアイツは来ていたらしい。



「告白どうだった?」ってあたしがその女子に聞いたら、「ごめんって言われた」って凹んでたし…。

…何か、やっぱ、アイツはよくわからん。



そんなことを考えながらしばらくパフェをもくもくと食べていると、店の奥で仕事をしていた兄貴がカウンターに戻ってきて、健に言った。



「健、」

「うん?」

「悪いねんけど、このあと世奈マンションまで送ってってーな」



突如そんな言葉があたしの耳に入ってきて、あたしはびっくりして顔を上げ、兄貴を見た。



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