兄貴がイケメンすぎる件


そして早月くんと別れた直後、また健と二人きりになった時、健があたしに聞いてきた。



「何、アイツ」

「え、」

「“早月翔太”。1年ん時同じクラスだったから知ってる。
なに、今度はアイツが次の彼氏の候補なわけ?」



健はあたしにそう聞くと、ジロリ、とあたしを見遣る。


…なんだ?なんか、ちょっと怖い。

もしかして、怒ってる?


そう思いながらも、慌ててそれを否定したけど、健の顔色は何1つ変わらない。



「ち、違うよ!違う違う!だってあたしアイツ嫌いだし!」

「…ほんとかな」

「ほんとだよ!ってか、健にそんなこと関係ないでしょ!
あたしが誰と付き合おうが、そんなのあたしの勝手じゃん!」



そう言ってムキになり、あたしは思わず強めの態度で健を見た。

全然関係ないクセに、勝手なこと言わないでよね!



すると、そんなことを言ってしまった可愛くないあたしに、更に怒った様子の健が言う。



「あぁ関係ないよ。そんなの知りたくもないし。

でもお前は彼氏をしょっちゅう取っ替え引っ替えしてんじゃん。

いい加減誰か一人に絞れよな、このビッチ!」



その言葉にもっとムカついたあたしは、思わず泣きそうになりながら健に言った。



「あんたは何も知らないくせに、好き勝手言わないでよ、バカ!!」



あたしはそう言うと、走ってその場を後にした。


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