兄貴がイケメンすぎる件
あたしはそう言いながら、寝室へと向けられた体をまた翔太に戻す。
すると、あたしのそんな言葉に、翔太はびっくりしたように少し目を見開く。
…けど、その表情はすぐにいつもの顔に戻って。
「……この前はあんなに顔真っ赤にして、泣いてたのに?」
「!!…っ」
そう言って悪戯っぽく笑うから、あたしはまた顔を赤くして言った。
「だ、だって…!あの時は…恥ずかしかったし」
「怖いなら無理しなくていいのに。僕はいつでもいいし、急かさないよ。世奈ちゃんが大丈夫って言うまでちゃんと待つから」
「じゃあ“大丈夫”」
「!」
「長い間待たせてごめんね。確かに怖いけど、相手が翔太だから平気なの。
それに、あたしだって……翔太のこと大好きだから、もっと、翔太に近づきたいし」
「……っ、」
あたしはそう言うと、恥ずかしさで思わず顔をうつ向かせる。
……ああ、こんなセリフ、自分で言っておきながら消えてしまいたいくらいに恥ずかしい。
翔太の顔を…見れない。
そう思っていると…
「…世奈ちゃん」
「…?」
「そのセリフと表情は…ずるい」
「え、」
ふいにその言葉が上からふってきて、あたしが顔を上げると…
「…んっ!?」
その時突然、翔太から甘いキスがふってきた。