兄貴がイケメンすぎる件

「…お邪魔します」

「どうぞ」

「本当に何もしないでね」

「……うん」


何だか健の返事までの間が気になったけれど、あたしはそう言うと健に背中を向け、毛布の中に入ってソファーに体を預ける。

ああ、幸せ。

そう思いながら、あたしは再び口を開いて健に言った。


「…あったかいね」

「うん。っつかこっち向いてよ」

「やだ。今日は特別だからね。実を言うと今眠たいから。明日になったら、今日のこのことは忘れるし」

「…」


そう言いながら、あたしは思わずウトウトしてしまう。

だけどその瞬間、ふいに背後から健があたしのお腹に両腕を回し、ぐっと引き寄せて言った。





【ダメ、忘れないで/おまけ①】





(ちょ、何もしないって言ったじゃんあほ!)
(いてっ!)
< 359 / 386 >

この作品をシェア

pagetop