兄貴がイケメンすぎる件
「…お邪魔します」
「どうぞ」
「本当に何もしないでね」
「……うん」
何だか健の返事までの間が気になったけれど、あたしはそう言うと健に背中を向け、毛布の中に入ってソファーに体を預ける。
ああ、幸せ。
そう思いながら、あたしは再び口を開いて健に言った。
「…あったかいね」
「うん。っつかこっち向いてよ」
「やだ。今日は特別だからね。実を言うと今眠たいから。明日になったら、今日のこのことは忘れるし」
「…」
そう言いながら、あたしは思わずウトウトしてしまう。
だけどその瞬間、ふいに背後から健があたしのお腹に両腕を回し、ぐっと引き寄せて言った。
【ダメ、忘れないで/おまけ①】
(ちょ、何もしないって言ったじゃんあほ!)
(いてっ!)