兄貴がイケメンすぎる件
【おまけ②】



「お前世奈のこと好きやろ」

「エッ!?」


それは、健と世奈がまだ中学三年ぐらいやった頃のこと。

放課後のカフェ『Green』で時間を潰す健に、俺はそう言った。


二人は幼なじみや。

もしかしたら健は、血の繋がってへん俺なんかよりも、余計に世奈のことを知ってるかもしれん。

せやけど二人は、俺から見てもずっと焦れったくてしゃーなかった。

特に健、お前が。

俺が健の本音を当てると、健はやっぱり図星を突かれた様子で、俺から目を逸らして言う。


「そ、そんな!…ことない、よ。うん。っつか何で突然そうなんの」


うわ、やっぱこら当たりやな。

俺は健の反応を見ると、そいつに言った。


「いや、誤魔化さんでええねん。何で誤魔化す必要があんねや。好きやったら好きでええやんけ」


俺はそう言うと、どこか顔を赤くする健を、真っ直ぐに見る。

…まぁ、健の気持ちもわかるで。好きやからこそそのぶんなかなか素直になれへんもんな。

……わかるけどさ。

すると、俺の言葉を聞くと、健が言った。


「…勇斗くん、世奈に言わないって約束してくれる?」

「おう。当たり前やんけ」

「俺……世奈が好き」

「やっぱりなぁ」
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