兄貴がイケメンすぎる件

まさか今このタイミングで世奈が来るなんて思わなくて、「早く!早く!」と早月に急かされながら、

俺はなんとかテレビ画面を消して、早月は咄嗟にDVDのケースを隠す。


…ま、間に合った…。


けど俺達は慌てすぎて、世奈からしたら不自然に見えるだろう。

だってリビングで男二人。テレビを点けるわけでもなく、何故かお互いに正座だし。


「ねぇ健ってばー」


そしてとうとう世奈がリビングのドアを開けた時、世奈はまさかの早月の存在に目を丸くした。


「っ…あれ、翔太!?何で!?」

「や、やっほー」

「もしかして二人で遊んでんの!?」


世奈は嬉しそうにそう言うと、俺に目を遣って言う。


「あ、健。CD返しにきた。ありがとね」

「お、おー」

「ってか二人で何してたの?あ、DVD観賞とか?」


何も知らない世奈はそう言うと、ニコニコと純粋な笑みを浮かべながら、俺にCDを手渡す。

しかし鋭い言葉を言ったその次の瞬間、床に置きっぱなしになっていたテレビのリモコンの電源を世奈がたまたま足で踏んでしまい、


「あっ、ごめん何か踏っ…」

「…!?」


世奈が言い終わらないうちに、さっきの続きである男女2人が激しく絡み合う映像が、なんといきなり俺達三人の前に流れ出した。




【DANGERな観賞会/おまけ③】




(ち、ちち違う!これ違うよ世奈ちゃん!これは相沢さんのDVDでっ…)
(いやバカ!お前がどうしても見たいっつーからこうやって…!)
(〜っ、なっ、何でもいいから早く消して!)
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