兄貴がイケメンすぎる件

…困ったな。

世奈ちゃんのひざまくら。

すっごく嬉しいししたいけど、すっごく照れ臭い。

僕はそう思って戸惑いながら、世奈ちゃんに言う。


「…め、珍しいね。何でいきなりひざまくらとかしたいって言うの」

「いいからいいから。ほら、翔太おいで。あたしの膝の上に頭置くの」

「……」


…だけど、大好きな彼女の世奈ちゃんにそんなことを言われたら、やらないわけにいかないし。(というかやらなかったら後で凄く後悔しそう)

だから僕は心の中で少し葛藤しながらも、やがてゆっくりその膝の上に頭を預けた。


「…っ」


耳に当たるスカート越の世奈ちゃんの膝が、凄くリアルで。

僕は本当に寝転がったはいいものの、何て言っていいのかわからない。

いつもは僕だって、世奈ちゃんに余裕ぶって色んな甘い言葉を吐いたりしてるけど、今はさすがに無理だ。言葉が出てこない。

ってか頭の思考回路が停止してる。使えない。


しかしそんな様子の僕の上で、世奈ちゃんは僕の頭を優しく撫でながら言った。


「…翔太髪サラサラ」

「…そかな」

「うん。触ってて気持ちいいもん」
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