兄貴がイケメンすぎる件
…………
「ねぇ相沢くん。夏祭りの日って何してる?」
「…あー、」
そして、夏祭りをいよいよ明日に控えた金曜日。
同じクラスの女子にそう話しかけられた俺は、ちょっと考えた後にその子に言った。
「……普通に祭り行くけど」
「あ、何だぁ。やっぱりもう先約入っちゃってるよねぇ」
そう言って、拗ねるように口を膨らませる。
で、誰と行くの?相沢くんは。
そしたらふいにそう聞かれたから、俺はちょっと答えづらいながらも言った。
「…早月」
「え、さつき?」
「うん、早月と行く」
「え、あっ…さつきって、えっ…翔太くん!?え、相沢くん翔太くんと一緒に夏祭り行くの!?」
「…」
その子は驚いた表情でそう言うと、俺を見て目を丸くする。
そうだよ悪いかよー。
っつか、何気に恥ずいからそんな大声で言うなよな。
そう思いつつ咄嗟に誤魔化そうとしたら、その言葉を聞いた他の女子達が集まってきた。
「え、何なに、何の話ー?」
「あのね、相沢くんって今年の夏祭りは翔太くんと一緒に行くんだって!」
「えっ嘘なにそれ、あたしも一緒に行きたーい!」
「あーあたしも!」