兄貴がイケメンすぎる件
*******
早月翔太に「ケーキを食べに行こう」と誘われたあたしは、
仕方なくそいつと二人でケーキバイキングに行った。
ケーキバイキングなんてのは生まれて初めてだったあたしは、目の前に並ぶたくさんのケーキに目を輝かせる。
「うわー、何これ!天国にいるみたい!」
「世奈ちゃん、何食べる?とってあげるよ」
早月翔太はそう言うと、ケーキ専用トングを遊ばせる。
えー、何にしよう!
出来ればたくさん食べたいけど、太っちゃ困るし…
チーズケーキ?生チョコタルト?
苺ショート?アップルパイ?
「超迷う~」
…なんて、あたしが独りそう考えながらニヤニヤしてしまっていたら、その時すぐ近くから視線を感じた。
その視線に慌てて早月翔太の方に目を遣ると、やっぱりその視線の主は早月翔太で…。
そいつはあたしと目が合うなり言う。
「世奈ちゃんさ、」
「え、」
「幸せそうだね」
「!」
早月翔太はそう言って笑顔を浮かべると、「喜んで貰えて良かったよ」と言葉を付け加えた。