兄貴がイケメンすぎる件

「あ、世奈ちゃん待って！」



その手を早月翔太の声によって、何故か止められた。



「…なに？」



せっかく食べようと思ってるのに、何で邪魔するの。

あたしがそう思いながら早月翔太を見ると、早月翔太は自分のぶんの苺ショートを少しだけフォークに刺して、

それをあたしに向けた。



「？…何それ、」



あたしがそう聞くと、早月翔太は、



「あーんして。食べさせてあげる」



そう言って、なんとも可愛らしい笑顔でニッコリ笑った。



「え…ここで！？出来るわけないじゃん、恥ずかしい！」



それに、あーんするなら別のケーキ選んでくれりゃあ良かったのに！

そう思って文句を言おうとしたら、その隙に早月翔太にケーキを口の中に入れられた。



「…ど？」

「……めっちゃ美味しい」



早月翔太にはちょっと悔しいけど…それでもケーキは、いつだって甘い。