兄貴がイケメンすぎる件


あぁ、恥ずかしい。

他のお客さんもいっぱいいるのに。


でも早月翔太は特に気にしている様子もなく、ケーキを食べている。


…本当、不思議なヤツだな。

そう思ってそいつを見ていたら、またふいに目が合って早月翔太があたしを見てニッコリ笑った。


その瞬間、何故か心臓が高鳴ったような気がしたけど、気のせいだったことにしておこう、うん。

あたしはそう思うと、やがてケーキを完食した。




******



「じゃあ、またね」



そして、それからお店を出たのは入店してから2時間後のことだった。

二つしかケーキを食べないつもりが、あまりの美味しさにあれから苺タルトやミルフィーユも食べてしまった。


…あぁ、体重計に乗るのが怖い。

あたしがそう思いながらも早月翔太に手を振ると、そいつはそんなあたしを引き留めるようにして言った。


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