兄貴がイケメンすぎる件
あたしがヤケ飲み状態でオレンジジュースを飲んでいると、しばらく黙っていた兄貴がまた口を開いて言う。
「…ほな、次の相手はアイツにしたらどうや」
「アイツって?」
兄貴の言葉に、?を浮かべるあたしに兄貴が悪戯顔で言った。
「決まってるやん!
相沢健(ケン)!」
「!!」
そんな兄貴のとんでもないアドバイスに、あたしは思わず口に含んでいたオレンジジュースを吹き出しそうになる。
「!?っ…バッカじゃないの!?アイツなんて絶対あり得ないし恋愛対象外だってば!!」
あたしはそう言うと、兄貴の肩をバシン、と叩いた。
相沢健とは、あたしとタメの幼なじみだ。
昔からサッカーが大好きなサッカー馬鹿で、同じ学校に通っている今でもサッカー部に所属している。
それにサッカーが得意だし、上手だから女子によくモテているみたいだ。
…健がモテている、なんて、本当は思いたくもないけれど。