兄貴がイケメンすぎる件
そう言って、あまりにも可愛らしい純粋な笑顔を見せるから、
あたしは不覚にもまたそいつにドキッとしてしまった。
「で、デートじゃないよ!」
それでもあたしがそんな可愛くないことを言えば、早月翔太は、
「世奈ちゃんがそう思ってなくても、僕はデートだって思ってるから大丈夫」
と右手でピースを作る。
…って、何が大丈夫なんだか。
でもまぁ、楽しかったしまた行きたいのはあたしも同じだし、早月翔太のおかげで大好きなケーキもたくさん食べれた。
だからあたしが思わず笑顔を浮かべると、次の瞬間早月翔太に頬にキスされた。
「!?…な、何すんの!」
「あまりにも可愛いから、つい」
そしてそう言うと、“本当は口が良かったけどね”なんて、とんでもない言葉を付け加える。
そんな早月翔太にあたしが頬を膨らませていたら、そいつは特に気にもせずに「じゃあ、バイバイ」とその場を後にした。
…本当、不思議。
読めないヤツ。
そしてあたしはそんな早月翔太の背中をしばらく見送ったあと、
兄貴が待つマンションに帰った。