兄貴がイケメンすぎる件
は…
一緒ニ入ル?
「なっ何バカなこと言ってんの!?ヘンタイ!」
健があまりにも自然に言うから、一瞬普通に返すとこだったけど、なんかコイツいきなりとんでもないこと言いやがった。
あたしがびっくりしながらも怒ってそう言うと、それを聞いていた兄貴が言う。
「せやけどな、お前ら二人昔はめっちゃ仲良かってんで?
こうやってどっちかの家に泊まった時も、風呂なんて一緒に入るのが当たり前やってんもん」
「いや、だから兄貴それは昔の話でっ…」
「それにな、寝る時も一緒の布団で寝て、しかもおやすみのチューとかも平気で…」
そして兄貴が一番とんでもないことを言い出したから、あたしは顔を真っ赤にして兄貴の言葉を遮った。
「あーっ!!兄貴そんな話はいいから、早く唐揚げ食べたい!」
「お前何照れてんねん、」
「照れてない!」
…いや、はっきり言って照れてるけど!
でもそれを健の前で言うことないじゃん!
余計に気まずくなるわ!
あたしがそう言って健を見れずにいると、やがて健は「じゃあ、入ってくるね」とお風呂場に向かって行った。
…あぁ、何だか疲れた。
健がリビングを出て行ったあと、兄貴が再び口を開いてあたしに言った。
「お前やって、覚えてんねやろ?」
「何が、」
「いや、何がってその昔の話のことやん」
「…あぁ、あれね」
…正直、あたしだって全く覚えてないわけじゃない。
むしろ鮮明に覚えてる。
確かに、昔のあたしと健は凄く仲が良かった。
兄貴の言う通り、一緒にお風呂に入るのが当たり前で、寝る前におやすみのチューして、一緒の布団で寝てた。
だから、あたしのファーストキスの相手は確実に健だ。
昔はファーストキスとか全くわからなかったけど、ある日突然健が寝る前にあたしにキスしてきたんだ。
…確か、あたし達が5歳の頃。
しかもみんなの前で。