兄貴がイケメンすぎる件
「うん?」
「ドライヤー貸して」
健はあたしにそう言うと、片手を差し出す。
「ちょっと待ってて」
そしてあたしはそう言うと、自分の部屋からドライヤーを持ってきてそれを健に渡した。
「はい、どーぞ」
しかしそう言って渡した瞬間、健が不満そうにあたしに言う。
「…世奈が乾かしてよ」
「へ…」
健はそう言うと、じっとあたしを見つめる。
その視線と言葉に、あたしは思わずドキッと……
…するかっつーの!!
「バカじゃないの!?自分で乾かせば、」
そう言って冷たく返したけど、健の表情は変わらない。
むしろ少し甘えた感じで、あたしに言った。
「世奈がやんなきゃ乾かないじゃん、髪」
「……」
「…ねぇ、世奈ってば」
…本当、コイツこんなキャラだっけ?
そう思いながらも、あたしはそんな健をシカトし続ける。
…あたしが悪いんじゃないんだからね!
そう思っていたけど、その様子を見ていた兄貴があたしに言った。
「世奈、髪くらい乾かしてやれや、」
「…はーい」
兄貴は、いつも健の味方だ。
…何故か。