兄貴がイケメンすぎる件
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そしてそれから数時間後、晩ごはんも食べ終わり、お風呂も入って気がつけば時計はもう23時を過ぎていた。
「…俺そろそろ寝るわな」
先にそう言って、部屋に入って行ったのは兄貴で。
あたしも健と二人きりになるのを避けるべく、その場を立ち上がった。
「じゃああたしも寝よーっと」
ちなみに健の部屋は、和室を用意してある。
…ちょっとあからさますぎたかな。
兄貴がお風呂に入っている間も、あたしはずっと自分の部屋にいたけど。
でも、昨日の告白のこともあるし、気まずすぎるからちゃんと顔を合わせることも正直嫌だ。
あたしが部屋に入ると、健も用意してある部屋に入って行った音が聞こえた。
「…はぁ、」
とりあえず、今日が無事に終わった。
…はずだった。
……………
……………
「…世奈、」
「……」
「世奈ってば、」
「…?」
自分の部屋に入って寝始めてから、あれからどれくらいの時間が経っただろうか?
ベッドでぐっすり寝ていたら、あたしはふいに誰かに名前を呼ばれて起こされた。
「…んー…なに?」
また何の用事だよ、兄貴は…。
そう思って眠たい目を擦って声がした方を見ると、そこにいたのは…
「世奈…ちょっといい?」
「!?」
健だった。