兄貴がイケメンすぎる件
「…けん…」
思わぬ健の登場に、あたしはびっくりして健を見つめる。
すると早月翔太が、怪訝そうに健に言った。
「…何、相沢さん。邪魔しないでくんない?せっかく世奈ちゃんと二人きりだったのに、」
早月翔太はそう言うと、右腕をあたしの肩に回す。
しかし健はそんな早月翔太の行動に、怒った様子であたしを早月翔太から離した。
「邪魔するに決まってんじゃん。何なのあれ、生徒玄関であんな堂々とキスしたりさ。
お前バカなんじゃないの、」
そう言って、健がどさくさに紛れてあたしをぎゅっと抱き寄せる。
うわ、ちょっ…恥ずかしいから!
あたしが健の腕の中で慌てていると、早月翔太も不機嫌そうに言った。
「だって世奈ちゃんの元彼とのチュープリ見たら悔しくなっちゃって。でももう大丈夫。次の世奈ちゃんの彼氏は僕だから、」
「は…」
「キミ、相沢さんはただの幼なじみでしょ?だったら余裕で僕が勝つよ」
「!!」
早月翔太はそう言うと、健に向かってにっこり笑う。
…何だかヤバイ状況。
あたしは?
あたしはどうしたらいいの!?
そう思っていたら、あたしの耳元で健が早月翔太に言った。
「世奈は俺のだよ…ずっと、」