兄貴がイケメンすぎる件


「!!」



その健の言葉に、あたしは思わずドキッとしてしまう。


ず、ずるい…。

こいつ、もしかしてわざとか?

なんて、そんなことを思ってしまう。


だって、なんか心臓が…


ドキドキ ドキドキ


そればっかで、身体もなんだか、ちょっと熱い。

あり得ない…こいつ相手にこんなことになるなんて。


そう思っていたら、早月翔太が言った。



「…世奈ちゃん、」

「え、」

「世奈ちゃんは、どっちが好きなの?」



早月翔太はあたしにそう聞くと、首を傾げる。



「え、どっちって…」



そんなこと急に言われても、わかんないよ…。


だから何て言っていいかわからなくて、健に助けを求めるべく顔を上げるけど、健も同じような顔をしてあたしを見た。



「俺もそれ、知りたいかも」

「!」



そう言いながら腕をほどき、あたしの顔を覗きこむようにして見る。


思わぬ展開に、あたしはもう「逃げる」しか選択肢がなくなって、

二人からの問いに答える前に、走ってその場を後にした。



「ご、ごめん二人ともっ…!」

「あ、ちょっと世奈ちゃん!」

「世奈っ…!」



何か、頭ぐちゃぐちゃでわけわかんない!


兄貴助けてっ…。




……そう思っていたら…、


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