兄貴がイケメンすぎる件
健がそう言うと、後輩君が言う。
「何だよじゃないですよ!朝練の途中なのに何処行ってんすか!」
「…あ。いや、でも俺いま…」
「ほら戻りますよ!」
後輩君はそう言うと、健の腕をぐっと引っ張った。
しかし朝練に戻りたくないらしい健はあたし達を気にするけど、そんな健に早月翔太が言う。
「大丈夫だよ、相沢さん!」
「え、」
「世奈ちゃんのことは、ちゃんと僕が守るから!」
そう言って、健に向かって大きく手を振った。
…って、あぁ…そんなこと言うから健が怒った顔して…
なんてそう思いながらあたしが不安になっていると、早月翔太があたしの手を掴んで、言った。
「さ、邪魔者は消えたし。職員室行くよ、世奈ちゃん!」
「!」
早月翔太はそう言うと、あたしを連れて体育館を後にした。
…けど。
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「っとに、この大バカ者!」
「!!」
職員室に入るなり、あたしは池端先生にやっぱりそう怒鳴られた。
「何なんだ、この職員室に貼ってあった紙は!全部お前のことが書いてあるじゃないか!」
池端先生は半ば興奮ぎみにそう言うと、その紙をあたしに見せる。
実は、生徒玄関や早月翔太のロッカーに貼ってあったあたしの元彼との紙が、職員室前の廊下にも貼られてあったらしい。
「…すみません」
あたしは池端先生が怖いからとりあえずそう謝るけど、なんか納得いかない。
だってそれって、
確実にあたしのせいじゃなくない?