兄貴がイケメンすぎる件


だけどそう思っていたら、隣にいてくれている早月翔太が、池端先生に不満げに言う。



「えー、でも先生それってさ、」

「なんだ、お前は黙っ…」

「世奈ちゃんのせいじゃなくない?」



早月翔太はそう言って、目を細めて池端先生を見た。

一方、言葉を遮られてまでそう言われた池端先生は、更に怒ったような顔をして早月翔太に言う。



「お前は何も関係ないくせに口を挟むな!」



その池端先生の声に、あたしはびっくりして思わず一瞬目を瞑るけど、早月翔太は何故か全く怯まない。

しかもビビりまくるあたしとは対照的に、余裕の表情で言った。



「関係なくないよ」

「…あ?」

「先生、僕は世奈ちゃんのことが好きなの!だからちょっとでも変なこと言ってたら気になるんだよ!」

「!」

「世奈ちゃんを悲しませたりしたら、僕が許さないから!」



早月翔太ははっきりそう言うと、強気な姿勢で池端先生を見る。


ってか、職員室で何言い出すんだあんたは!


あたしがそう思って独り恥ずかしくなっていると、池端先生が物凄く怖い鬼のような顔をして早月翔太に言った。



「ほぅ…じゃあお前は、工藤世奈は悪くないと言いたいんだな?」

「もちろん!」



「…」



あぁ、何か嫌な予感。

とんでもないことにならなきゃいいけど。


そう思って祈るような気持ちで二人を見ていたら、そのうち池端先生がまた早月翔太に言った。



「…じゃあお前…


工藤世奈の代わりに、




学校2週間停学な」


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