兄貴がイケメンすぎる件
池端先生はそう言うと、厳しい視線で早月翔太を見る。
…って、ちょっと待ってよ。
停学!?
そんなことで学校停学になるわけ!?
「先生、いくらなんでもそれはっ…」
さすがのあたしもここでビビったままでなんていられなくて、池端先生に抗議をしようと口を開くけど…
「じゃあ聞くが、この紙に書いてあることは嘘なのか?」
池端先生があたしにそう聞くから、あたしは先生から目を逸らしてしぶしぶと答える。
「…事実です」
あたしがそう言うと、池端先生はニヤリと不敵に笑って言った。
「だったら仕方ないだろう。それならこの紙によって他の生徒に不信感を与えたのも事実になる。違うか?工藤、」
「…そ、それは…」
「先生の言ってることは正しいだろう?だったら停学も素直に認めろ、」
池端先生はそう言うと、あたし達から視線を逸らして何やら自身の机の引き出しを開けた。
そうかと思えば、しばらく隣で黙っていた早月翔太が池端先生に言う。
「…先生」
「なんだ、まだ何か文句がっ…」
「わかったよ、僕が受ける」
「!」
…え、
受ける、って…もしかして…
あたしがびっくりして早月翔太を見ると、そいつは池端先生にはっきり言った。
「僕が、世奈ちゃんの代わりに…
停学処分を受けるよ」