兄貴がイケメンすぎる件
健はあたしにそう問いかけると、ニコリと笑う。
…もう、あたしの好きなアーティストのライブチケット出してくるのは反則でしょ…。
そう思いながらも、あたしは素直に頷いた。
「…うん、デートする」
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そしてその夜、あたしは晩ごはんに使った皿を洗っている兄貴に言われた。
「世奈、お前週末どないすんねん、」
「え、」
兄貴はあたしにそう聞くと、チラリと冷蔵庫の前でお茶を飲んでいるあたしに目を遣る。
「どないすんねん、って?」
あたしが頭の上に?を浮かべながらそう聞くと、兄貴が言った。
「いや、何かあるやんか。友達と遊びに行ったりやとかな…」
「あぁ、健と遊びに行ってくる」
「!」
あたしがそう答えると、何故か兄貴は目を輝かせてまたあたしを見る。
そして何を言い出すかと思ったら、次の瞬間兄貴はとんでもないことを言い出した。
「え、お前それっ…!」
「?」
「健と付き合うんか!!」
「!?」
そんな兄貴の言葉に、あたしはびっくりして首を勢いよく横に振った。
「ちっ違う違う違う違う!!突然何言っちゃってんの兄貴!」
「…何や、ちゃうんかい」
「アイツと付き合うとか……ないない、」
あたしは兄貴にそう言うと、冷蔵庫の前から離れてリビングに戻った。
そんなあたしの後ろ姿を、兄貴が意味深に見つめているとは知らずに…。