兄貴がイケメンすぎる件
!!ぎゃっ、
「け、けけ健」
あーお願いだからあたしを見ないでー。
そう思って思わず隠れかけたけど、それを素早く察知したらしい兄貴に、ぐっと腕を掴まれて止められる。
うわ、何するの兄貴のアクマ!!
「健~、待っとったんやで」
「ごめんね。ちょっと寝坊しちゃって…」
「おら世奈、気ぃつけて行って来いや」
「…」
兄貴はそう言うと、あたしの背中を軽く押して健に近づけさせる。
すると健は、あたしを見るなり何故かちょっと笑いだした。
「んははっ、」
「へ?」
え、あたし何で笑われてんの!?
そう思って靴を履きながら、あたしはムカついたから健の肩をバシッと叩いてやった。
「ぁいて!?」
「笑わないでくれる?ちょー不快なんだけど、」
あたしが眉間にシワを寄せてそう言うと、健は笑いを抑えて言う。
「いや、だってさ」
「?」
「こんなに可愛い格好でデートしてくれるなんて、夢にも思わなかったから」
「!!」
「なんか嬉しくて」
健はそう言うと、あたしの頭を撫でた。