兄貴がイケメンすぎる件
そしたら何故か数秒くらいそいつは固まって、そうかと思えばやがてびっくりしたように言った。
「…えっ!?ほ、本気!?」
そう言って、あまりにも「信じられない!」って顔をされるから、あたしは戸惑い気味に「うん」って頷く。
…そんなにびっくりすることかな。
早月翔太の様子に首を傾げていたら、そいつはやっと笑顔を見せてくれた。
「…ヤッバイ!今超幸せ!!」
「そ、そう、」
「ね、世奈ちゃん!」
「!」
突然名前を呼び、早月翔太はあたしの手を握ると、言った。
「これから、よろしくね!」
そう言って、あたしに顔を近づける。
至近距離でそう言われるからなんだか恥ずかしくなってしまったけど、
あたしにとってもこの空間がなんだか幸せに思えてきて、どちらからともなくキスをしようとした…
…その時だった。
キスの直前で、その瞬間タイミング悪く玄関のチャイムが鳴った。