心も体も、寒いなら抱いてやる
「おれじゃない、ビィがみのりに来てほしいって言ってる」

あくまでビィのせいにしながらビィを連れて外に出る俊についていく。


随分と日が伸びた。

まだ太陽が高く上っているきれいなブルーの空にはたくさんの雲のかたまりがあり、見ているそばから姿を変えていく。

風をそれほど感じないのに、上空でどんどん流れていく雲の様子を見上げていると、地上とは違うリズムに包まれていくようだ。

ピッという音で顔を戻すと、「はい」とビィを渡された。

俊が運転席に乗り込み、助手席に乗れと目で合図する。

「車で散歩?」

「天気がいいから北上公園に行く。ビィがいきたいって言うから」

またビィのせいにする。

腕の中のビィはそんな俊と口裏をあわせるかのように、みのりの鼻をぺろんとなめた。
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