心も体も、寒いなら抱いてやる
額を覆った前髪の隙間から、まっすぐな瞳が見えた。

俊の瞳は少し茶色いことに改めて気づく。

「ビィのシッターって?」

「ビィと遊んで散歩する。1日3時間くらいで4000円。居酒屋より割はいい」

みのりは俊の顔を、髪の合間からのぞく目をまじまじと見た。

「俊くんが忙しいときにはお金なんてもらわなくても、連絡くれればいつでも行くよ。時間が空いていればだけど」

「だから時間を空けてって、言ってるの――――ビィのためにね」
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