心も体も、寒いなら抱いてやる
太一の目がぱちぱちしているのは焼肉の煙のせいではないだろう。

しかし花蓮は「さ、これで告白タイム終了。すっきりしたからじゃんじゃん食べよう」と、トングをぱちぱちさせて肉をどんどんプレートに並べていく。

アンカーとしての説明が雑すぎて、太一はまったくすっきりしていない風で相変わらず目をぱちぱちさせて俊とみのりを交互に見ている。

「あのー」

「あれ、もしかして質疑応答の時間も必要だった?」

肉をせわしなくひっくり返していた花蓮がプレートから太一に視線を移す。

「もしかして、ルカだったりする?」

俊、みのり、花蓮が一斉に太一を見る。

3対1で視線が絡まる。

「なんでわかった?」と俊が聞く。

「えーーーーーーーーーーーーーーー!」と、太一が驚愕の雄たけびを上げる。
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