心も体も、寒いなら抱いてやる
「すぐに俺だってわかった太一の方がスゲーよ」

「そりゃあ、一時は毎日顔を見続けた親友だからね。俊、俺でよかったら抱いてくれ」

「わかった。優しく、そして激しく抱いてやるぜえ」

4年ぶりの再会とは思えないバカさ全開の2人にあきれて、花蓮はきれいな唇を半開きに、みのりは眉間にしわを寄せて俊と太一を見つめる。

2人の間の溝は幻、いや蜃気楼だったのか。

ホッとしたのを通り越してなんだかむかついてきて、みのりはがしっと箸を握り、直箸でプレートからカルビやロースをがっつりつかむと、そのままたれに落としてから一気に口に頬張った。
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