心も体も、寒いなら抱いてやる
「もう! 俊よ、俊! 弟の俊!」

「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

あまりに驚いて危うくビィを落としそうになった。

それを察したのか、心持ちビィの腕に力が入り、みのりの腕にしがみついてきた。
そんな気がした。

「え? あの小さかった俊君?」

「そう。あのちびだった俊」

「あの優しくて可愛いかった俊君?」

「そう。あの優しくて可愛いかった俊」

まだバッグをがさがさと探っている俊の後姿を花蓮は睨み付け、「全部過去形だけどね」と付け加えた。
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